英国に在住する長崎女性の回想を描いた処女作.王立文学協会賞を受賞し、9か国語に翻訳される。

故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想いを馳せる。戦後まもない長崎で、悦子はある母娘に出会った。あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、不気味な幻影に怯える娘は、悦子の不安をかきたてた。だが、あの頃は誰もが傷つき、何とか立ち上がろうと懸命だったのだ。淡く微かな光を求めて生きる人々の姿を端正に描くデビュー作。王立文学協会賞受賞作。

 ・ amazon : 遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

 ・ Amazon : A Pale View of Hills